過去を振り返ると真実が見える。

軍事介入はウクライナ暫定政権の思うつぼ
2014.5.10 08:40
【佐藤優の地球を斬る】
ttps://www.sankeibiz.jp/express/news/140510/exd1405100840002-n1.htm


会談後の共同記者会見の席で、プーチン氏は、ウクライナ東部のドネツク、
ルガンスク両州で反政府勢力が11日に予定している住民投票の延期を要請した。
ブルカルテル氏は、OSCEが近くウクライナ情勢の正常化に向けた
ロードマップ(工程表)を発表すると述べた。ブルカルテル氏によれば、
ロードマップは戦闘の停止、武装解除、円卓会議の実施、ウクライナ大統領選挙の
4段階で行われると述べた。

 ウクライナ暫定政権は、今月(5月)25日に大統領選挙を予定している。
しかし、25日までにロードマップの大統領選に至る条件を満たすことは不可能だ。
共同記者会見で、プーチン氏は、ウクライナ大統領選挙の延期が望ましいと述べたが、
OSCEもロシア寄りの姿勢を示したことになる。プーチン氏の目的は、
ウクライナをロシアとNATO(北大西洋条約機構)の間の「緩衝地帯(バッファー)」
にすることだ。そのためにはウクライナを連邦化し、東部と南部はロシア、
西部のガリツィア地方はNATOの勢力圏とし、首都キエフを含む中央部は、
双方の勢力が均衡した状態にする必要がある。
ウクライナの親露派の一部が東部、南部をロシアに編入することを要求しているが、
プーチン氏にとっては有り難迷惑な話だ。

 しかし、ウクライナの親露派勢力は、プーチン氏の要請を無視し、
11日に住民投票を決行するもようだ。