総務省が10日発表した2021年の家計調査報告によると、2人以上の世帯の平均貯蓄は前年比5・0%増の1880万円だった。増加は3年連続で、比較可能な02年以降で過去最高となった。コロナ禍で外出が減り、支出をせずにお金をため込む傾向がみえる。

 総務省統計局によると、21年は外食やパック旅行などの支出が減少した。コロナ禍で消費支出全体が減少する中、こうした娯楽関係の支出が減り、預貯金に回ったとみている。

 貯蓄額の内訳は、定期預金が1・3%増の615万円、普通預金が5・0%増の584万円、生命保険などが横ばいの357万円、株式などの有価証券が22・9%増の295万円。巣ごもりでの投資ブームが有価証券の増加につながった可能性がありそうだ。

 平均の負債額は0・9%減の567万円。貯蓄額から負債額を差し引いた純貯蓄額を世帯主の年齢別にみると、60~69歳が2323万円で最も多く、次いで70歳以上が2232万円だった。50歳未満の世帯では負債額が貯蓄額を上回った。(北川慧一)

朝日新聞 2022年5月10日 20時36分
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