――0円で使っているユーザーが流出する可能性もあると思うが、そのあたりは折り込み済みなのか。

矢澤氏
 流出はもちろん0ではないと思うが、ほとんどの方が残っていただけるのではと思っている。その最大の理由は、「データ利用量が少ない方でも、楽天市場でのお買い物の金額がすごくある」ということ。

 なので、今回は6倍にさせていただいたが、楽天市場でのポイントを上げることで、お客さまにとってトータルのメリットになればいいかなと思っている。

三木谷氏
 正直に言えば、もう少しこのまま使ってもらってもいいかなと思った。ただ、電気通信事業法上で「それはダメだ」ということなので、「じゃ、どうしようか」と考えて、ほかのベネフィットをたくさんつけるかたちで対応させていただいた。

――電気通信事業法でダメ、というのはどういうことなのか。

三木谷氏
 僕も最初はよくわからなかったんだけど、「既存のユーザーをキープしたまま、新しいプランを出して他社に逃げないようにするっていうのはダメ」っていうことらしい。27条だっけ?(矢澤氏に向かって)

矢澤氏
 電気通信事業法上の27条「既存顧客の囲い込み」にあたる。

三木谷氏
 うちはワンプランが売りなので、2つのプランを並べるというよりも、1つのプランにする必要がある。それから楽天とのシナジーを追求する必要があるっていうことなので、当初の案としては「既存ユーザーは当面そのままでもいいですよ」ということを考えた。

 ただ、残念ながらそれは法律的にダメだということになったので、じゃあどうしましょうか? っていうことで、多くのベネフィットをつけた。大半の方は、そのままお使いいただけるのではと思っている。