プライムオンライン編集部

2022年5月20日 金曜 午前11:40

「痒いところを掻いたら、よけい痒くなった」。こんな経験は誰にでもあるだろう。

そもそも痒みは、ダニや異物を取り除くために皮膚を引っ掻く自己防衛反応だと考えられている。しかし掻くと余計に痒くなる仕組みはこれまで分かっていなかったという。

このメカニズムについて九州大学大学院薬学研究院の津田誠主幹教授などのグループが、刺激によって増える特殊なタンパク質に原因があることを世界で初めて突き止めた。

普通の痒みは少し掻けば治まるが、アトピー性皮膚炎やかぶれ(接触皮膚炎)などの強い痒みは何回も皮膚をひっ掻き、炎症が悪化してさらに痒みが増してしまう。これは「痒みと掻破(そうは)の悪循環」と呼ばれ、なぜこうなるのかは分かっていなかった。

研究チームは皮膚炎のマウスを使った実験で、痒くて皮膚を掻くと、皮膚と脊髄をつなぐ感覚神経で「NPTX2」というタンパク質が増加し、これが脊髄に運ばれると「痒み伝達神経」の活動を高め、強い痒みを感じることで、また皮膚を引っ掻いてしまうことを発見した。

NPTX2は、研究チームのPaul Worley教授が1996年に発見したタンパク質で、神経細胞の活動が高まると作られるという。人工的にこのNPTX2を作ることをできなくした皮膚炎のマウスを観察したところ、引っ掻き行動は34%減少したそうだ。





娘のアトピー発症などが研究のきっかけ
     ===== 後略 =====
全文は下記URLで
https://www.fnn.jp/articles/-/361918?display=full