判決などによると、2018年4月、男性の同年度住民税の控除額を、正しくは166万円だったのに、市職員が1桁誤って端末に入力。同年7月、男性の口座に本来より1502万円多い還付金が振り込まれた。


 市がミスに気付き返還を求めたが、男性が応じなかったため提訴していた。

 民法では、不当な利益を得た側に悪意があれば、その利益を返還しなければならないと定めている。男性側は訴訟で「株の売買で生計を立てており、過去に多額の税金を納めていたため、不思議に思わなかった」と、悪意はなかったと主張した。

 判決で森鍵裁判長は、「株取引の利益がどの程度残るかはまさに死活問題で、税額などを把握していなかったとは考えられない」と指摘。振り込みがあった時点で、男性が過大還付を認識していたと結論づけた。