時価総額で米最大の半導体メーカー、エヌビディアの株価が25日の時間外取引で急落した。中国のサプライチェーン問題とウクライナでの戦争が売上高見通しの重しとなった。

同日の発表文によると、5-7月(第2四半期)の売上高は約81億ドル(約1兆300億円)の見通し。ブルームバーグ集計のアナリスト予想平均は84億4000万ドルだった。粗利益率は前の四半期と同程度の約66%を見込む。

株価は時間外取引で一時10%安となった。

今回の見通しは中国で続くサプライチェーンの混乱を反映している。同国では新型コロナウイルス感染拡大防止に向けたロックダウン(都市封鎖)で生産や輸送に支障が出ており、エヌビディアなどはなお堅調な半導体需要を生かしにくい状況だ。同社は見通しの下押し要因として、ウクライナに侵攻し幅広い分野で制裁を科されたロシアにも言及した。同社によれば、これらの問題で5-7月の売上高は約5億ドル押し下げられる見通し。

投資家の間ではコロナ禍の期間に急増した半導体需要が後退し、同業界の特徴である好不況の波の1つになるとの懸念が強まっているが、エヌビディアの2-4月(第1四半期)決算では需要が引き続き力強いことが示唆された。

2-4月売上高は46%増の82億9000万ドルで、アナリスト予想平均の81億ドルを上回った。一部項目を除いた1株利益は1.36ドルで、これも市場予想平均(1.30ドル)を超えた。

部門別売上高はデータセンター部門が83%増の37億5000万ドルで、市場予想を上回った。ゲーム部門は31%増の36億2000万ドル。一方、自動運転システムなどを手掛けるオートモーティブ部門は10%減収だった。

ジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)はアナリストとの電話会見で、「サプライチェーンに問題がある」と語った。コレット・クレス最高財務責任者(CFO)は、中国のロックダウンが現地の需要も軟化させていると説明した。

一方、これまで売上高全体の約2%を占めてきたロシアについてフアンCEOは、自社のゲーム事業でより高い割合を占めていると説明した。同社は今年、ウクライナ侵攻を受けロシアへの販売を停止している。

原題:Nvidia Tumbles After Lockdowns, Ukraine War Hurt Forecast (2)(抜粋)

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Yahoo! Japan/Bloomberg 05/26 06:13 配信
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