6/7(火) 18:48

新潟県十日町市は『大地の芸術祭』の作品2つが、修学旅行で訪れていた新潟市の中学生に壊されていたと発表しました。作家は「作品は我が子と同様で非常にショックを受けている」と話しているということです。

中学生に壊された作品は、クワクボリョウタさんの「LOST#6」です。鉄道模型から放たれた光が織物器具に当たり、その影を壁に投影する作品です。作品が展示されていたのは越後妻有里山現代美術館「MonET」です。

新潟市教育委員会や大地の芸術祭実行委員会によりますと、4月に修学旅行で訪れ作品を鑑賞していた新潟市内の中学校の生徒が、2つの作品を壊したということです。「生徒が作品を踏んだようだ」と、教諭から美術館に報告がありました。

【十日町市文化観光課 樋口正彰課長】
「20年近く大地の芸術祭をやってきて、今までこういう事件は本当になかった。なので最初は『え?何かの間違いじゃないの?』」

壊された作品のうちドイツ人作家の作品は折り曲げられていた部分を修復し、仮復旧の状態で展示できるようになっています。ただ、クワクボリョウタさんの作品は修復が不可能で、公開できない状態となっています。

【十日町市文化観光課 樋口正彰課長】
「作家の皆さんにとっては(作品は)我が子と同様で、非常にショックを受けていると聞いています」

クワクボリョウタさんの作品は2012年から美術館で展示されていて、4月29日に開幕した『大地の芸術祭』でも公開する予定でした。

【地元の人】
「これだけみんなに愛されて、ずっと続けてきた作品をそういうことで壊されちゃうという…。モラルの問題でしょうけど、とても残念ですね」

【東京から大地の芸術祭に来た人】
「作品が壊されたということを聞くと、とても残念ですね。楽しみにしていました」

クワクボさんの作品は暗い部屋で展示されていましたが、中に入れないように柵を設置していたということです。

【十日町市文化観光課 樋口正彰課長】
「大地の芸術祭は、世界のすごくハイレベルな作品を身近に感じられるというのが一番の魅力だったと思うんですね。今回の事件で距離ができてしまうのは、私としてもあまりうれしくない」

十日町市は警察に被害届を出し、壊した中学生が未成年のため新潟市に損害賠償請求をするとしています。また、防犯カメラの設置など警備体制を見直すとともに、クワクボリョウタさんの新しい作品を展示する予定だということです。

一方、新潟市教育委員会は「再発防止のため教職員間の連絡体制を強化し、課外活動の際には生徒の事前指導を徹底する」としています。

十日町市や新潟市教育委員会は警察が捜査中だとして、中学生がどのように作品を壊したか詳細を明らかにしていません。

十日町市は、新潟市に対し請求する損害賠償の金額は言えないということですが、新潟市教育委員会は「損害賠償請求に応じる方向で十日町市と協議していく」としています。

ソース https://news.yahoo.co.jp/articles/d7313862650fcc6608ff5a2258ec8302e1f2e337