Yahoo!オリジナルニュース6/13(月) 12:18石渡嶺司大学ジャーナリスト
https://news.yahoo.co.jp/byline/ishiwatarireiji/20220613-00300651

就活サイトと言えば、学生の基本情報を登録。そのうえで、気になる企業を検索し、志望度がそこそこであればブックマーク(エントリー)すれば、その企業の説明会日程をはじめとする選考情報が入手できました。

過去形で書いたのは、22卒あたりから、ブックマーク(エントリー)だけでは選考情報が十分に見られているとは言えなくなってきているからです。ブックマーク(エントリー)をした就活生に対して、その企業はメールや電話等で、次のような登録を促します。

「今後、さらに選考情報を詳しくお知らせしたく、LINEの登録をお願いできないでしょうか?」

企業によっては、LINEではなく、企業マイページだったり、逆求人型サイトだったりします。就職情報サイトに登録しているにもかかわらず、わざわざ、LINEやら企業マイページやらを改めて登録するのは就活生からすれば、面倒なこと、このうえありません。

しかも、こうした二度手間となる登録、以前からある話です。登録しなくても、先輩学生は特に何もありませんでした。だったら、わざわざ登録しなくても。多くの就活生はそう考えます。これが二度手間フィルターとなり、知らないところで多くの就活生が出遅れる元となってしまいました。

◆同時期にブックマークしたのに天地の差
とある企業・X社に、ほぼ同時期に就活生がブックマーク(エントリー)をしました。AさんとB君は同じ大学で同じゼミです。小売メーカーで中堅規模のX社は学生からも人気です。Aさん、B君はともにこのX社に2021年12月ごろにブックマーク(エントリー)しました。

時期だけでなく、学生個人のスペックはほぼ同じ。ところが、その後、AさんとB君は運命が大きく分かれてしまいました。Aさんは、セミナー情報などを入手して参加、選考にも参加していき、X社の内定を得ます。付言すると、X社以外にも複数企業から内定を得ることができました。

一方のB君は、セミナー情報などが入ってきません。結果、X社の選考情報には気づかず、参加することができませんでした。これは他社も同様であり、就活で苦戦してしまいます。AさんとB君の運命を分けたもの、それが、二度手間をかけたかどうかです。X社をブックマーク(エントリー)してから数日後、Aさん・B君のメールにX社からの連絡がありました。

「このたびは弊社をブックマークしていただきありがとうございました。さらに詳しい選考情報をお伝えしたく、弊社ではLINEを開設しています。つきましては、こちらの登録もお願いします」

メールには大筋で上記のような内容が書かれていました。よくあるメールと考えて、B君はスルーしてしまいます。一方、Aさんは、わざわざメールを送ってくるのであれば、と考えて、LINEに登録。このX社のブックマーク(エントリー)から就活を始めたAさんは、改めて企業からのメールを見ていくと、このX社のような、二度手間を促す内容が多いことに気付きます。

企業によってはLINEではなく、その就活サイト内にある企業マイページへの登録を促しています。企業によっては、他社の逆求人型サイトへの登録を促す内容もありました。

これはおかしい、と考えたAさんは、その後、X社だけでなく、志望度が中程度以上の企業であれば、就活サイトのブックマーク(エントリー)だけでなく、LINEや企業マイページの登録もしていきます。

当初は、登録する気のなかった逆求人型サイトも、offerboxを登録。これは先輩学生から勧められたことも影響しています。その結果、Aさんは企業のセミナー開催情報などが入るようになり、就活を有利に進めることができました。

実はB君も、先輩学生から逆求人型サイトを勧められてました。ところが、自己PRを長文(1000字)書かなければならず、ここでまず、やる気をなくします。そこにX社や他社からLINEや企業マイページ、逆求人型サイトへの登録を促すメールが殺到します。Aさんと違い、B君は「こんな二度手間、面倒。登録なんてしなくてもいいでしょ」と考えてしまいます。

結果、企業の選考情報がほぼ入らなくなってしまいました。セミナーや1日インターンシップの情報も入らず、B君は就活に大きく出遅れてしまいます。

では、X社はなぜAさんに選考情報を送り、B君には送らなかったのでしょうか。答えは簡単です。Aさんは二度手間をかけてLINEの登録をした、B君は二度手間をかけずLINEを登録しなかった。

(以下リンク先で)