https://torja.ca/marijuana-rc-show/
■カナダ最大規模の食品見本市「RCショー2022」
新型コロナによるパンデミック期間中にトロントで増えた店といえば、マリファナショップがあげられるのではないだろうか。
2018年に嗜好用大麻を合法化したカナダ、数年を経て現在オンタリオ州の大麻市場、ビジネスがどうなっているのか、
そして今後どのように変化していくのかをカナダ最大級の食品見本市で行われたディスカッションからレポートする。
※略

■オンタリオ政府から認められた大麻販売に必要な資格「CannSel」
オンタリオ州では、この「CannSel」がないとカンナビスを販売することができない。
いわば、スマートサーブ(オンタリオでアルコールを売る際に必要となる資格)のマリファナ版である。
「CannSel」では、これまでに1600以上のショップでトレーニングをしており、現在は新たに400店舗にてトレーニング中。
この400店舗のトレーニングが終わればオンタリオ州で大麻を扱う店舗は2000店舗になる。

■大麻の販売が認められた「budtenders」
「budtender」は、マリファナを意味するbudとbartender(バーテンダー)からなる造語である。
ショップで勤務する人は「CannSel」の資格を取るためにオンラインで3~4時間のプログラムを受けなければならず、
販売スタッフは全員このトレーニングを受け、資格を所持している必要がある。
店舗に訪れる消費者の90%、つまり日頃からカンナビスを使っている消費者も、あまり知識がない消費者も
「budtender」におすすめを聞いたり意見を聞いたりすることが分かっており、その存在は実に重要なものである。
※略

■気軽で手軽な大麻関連食品
2021年のオンタリオ州全体での大麻製品の売上は14億7000万ドル(1ドル100円とすると1470億円相当)である。
売上のおよそ4~5%を大麻関連食品が占めており、大麻関連飲料に関しては、およそ2%を占めている。
ちなみにカナダ全体では売上の20%ほどが大麻関連食品で構成されている。これは業界が予測していた数値よりも多いという。
食品類の内訳は、70%~80%がキャンディーやグミが占めており、次に多いのはチョコレートだ。
※略
食品関連の購入率が予想外に伸びた背景には、喫煙よりも抵抗が少なく、人々が試しやすいということや、マリファナ独特の匂いが生じることなく、
気軽で手軽に使用できることがメリットになっている。
※略

■今後の大麻ビジネスのポイント
大麻市場はまだまだ始まったばかりで、マーケットでは常に新しい製品が開発されている。
人々も常に新しい製品を求めているが、製品の値段設定も重要なところである。
市場調査では購入者の50%は年収が4万ドル前後であるとされる。一般的な消費者からすると、質よりも値段を見る傾向があることから、
安いながらも高いTHC(テトラヒドロカンナビノール)が含まれている大麻など、コストパフォーマンスを重視していかなければならないと考えられているそうだ。
消費者にリピートしてもらうことを考えると、値段だけでなく質にもこだわらなければならないのが今後のポイントだ。
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■今後、規制はさらに緩和へ?
現在の法律は今後変わると予想されており、3月には「Canada Gazette(カナダ政府の公式政府官報)」で、355ミリリットルの大麻飲料においては、
一度に4ダース購入できるように大麻法の改正を目的とした新しい法令案が発表された。
この発表では、大麻飲料の規制を他のマリファナ製品と同じくらいの制限まで近づけることを目標としている。
これは一度に48缶もの飲料を買えるようになり、現在の5缶と比べるとかなりの規制緩和となる。
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今後、ワインやビールと同じ立ち位置になることを考えると、大麻はより一層人々にとって身近な物になっていくが予想され、
消費者としては誰かと一緒に楽しもうと考えることも増えていくだろう。
だからこそ、「budtender」をしっかりと教育し、消費者が正しく楽しめるようにしていくことが大切だと唱えられているのが現状だ。

■いずれは飲食店でも大麻を楽しめるようになる
将来的には、レストランなどでアルコールを注文できるように、いずれは大麻関連ドリンクも飲食店で楽しめるようになると考えられている。
例えば大麻が合法であるカリフォルニア州のような地域では今後飲食店で大麻関連のドリンクが提供されるようになるとされており、
他の地域でもカリフォルニアに続く可能性がある。
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