2022.06.17 Fri posted at 15:15 JST

(CNN) パキスタン政府はこのほど、急激なインフレや通貨安で打撃を受ける経済を救うためとして、国民に毎日の紅茶を1~2杯減らすよう呼び掛けた。
パキスタンは世界最大の紅茶輸入国。イクバル計画開発相は14日の記者会見で、同国の経済を輸入が圧迫していると説明した。
世界各国の貿易データを追跡する米サイト、経済複雑性観測所(OEC)によると、パキスタンは2020年の1年間で6億4000万ドル(現在のレートで約860億円)相当の紅茶を輸入した。

イクバル氏は「私たちが輸入する紅茶の代金は借金でまかなわれている」と指摘。また、国内の商店は電力を節約するために閉店時間を早めるべきだとも主張した。
パキスタン経済は何カ月も前から厳しい状況が続き、食料品やガス、石油の価格が上昇している。
ロイター通信によると、中央銀行の外貨準備高は2月末時点の163億ドルから、5月には約100億ドルまで減少した。
一方パキスタンのSNSでは、イクバル氏の呼び掛けに冷笑を浴びせる投稿が相次いだ。紅茶の量を減らしても、経済問題を軽くする助けにはならないとの意見が目立つ。

https://www.cnn.co.jp/business/35189041.html