2022-06-28

「動かさない方がまし」22億円のポンプは“役立たず”事業計画の甘さ浮き彫りに【R調査班】

22億円もかけて水害対策として整備された排水ポンプが、激甚化する豪雨にその効果を発揮できずにいる。行政側は「失敗ではない」と主張するも、毎年の住宅浸水に住民は納得しない。
RKBの調査報道グループ「R調査班」が取材すると、ポンプは所定の性能があるが、近年の雨量に対応できないことがわかった。浮き彫りになったのは事業計画の甘さだ。




10年前に背丈よりも高い位置まで浸水

福岡県八女市立花町の北山地区。1級河川・矢部川のほとりに約40世帯が暮らす集落がある。矢部川と支流の白木川が合流する場所に、そのポンプ場はあった。情報を寄せてくれたのはこの地区で鍛冶屋を営む近藤輝英さんだ。

近藤輝英さん「10年前ですね、これが発端ですよ水害対策が始まった」

自宅の外壁に手書きされた2012.7.14の黒いライン。背丈よりも高いところまで水が来たことがわかる。

2012年7月に九州北部地方を襲った豪雨で福岡県の5人が死亡し、6800棟を超える住宅が浸水などの被害を受けた。取材班は今年3月まで地元の区長を務めていた古賀晃さんを訪ねた。

古賀晃さん・近藤輝英さん「2012年の災害はもう諦めるしかないです。どこにおっても駄目やから」

2人がそう話すほど大きな被害をもたらした豪雨が問題のポンプ場の整備につながった。





「30センチ以上は浸かりません」説明と食い違う現実
https://rkb.jp/news-rkb/202206282167/