我々のような在外日本語メディアは得てして、日本人にとって聞き心地の良い情報だけを選んで日本語にして伝えがちだが、現実のブラジルには目を覆いたくなるような記事やコラムも溢れている。
日本を代表する保守政治家である安倍晋三元首相の死に関し、同じ保守派のボルソナロ大統領が深い哀悼の意を示したのと同じ強さで、左派メディアの一部はその死をおとしめようとしているように見える。
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もちろん、みなが元首相の功績を賞賛する必要はないし、いろいろな意見があるのは当然だ。だが、仮にも一国の元首相の死に対し、即座にこのような内容のコラム(靖国慰安婦南京など)を発表するとは、あまりにも保守嫌悪が過ぎ、かつ歴史に対する理解が一方的で、しかも暴力的な内容だと唖然とした。

安倍元首相が亡くなったことは「アジア諸国で復讐としては喜ばれている」かのようなニュアンスをブラジル人に持たせる。これを読んだ三世、四世は日系社会からどんどん離れていくだろう。
どこの国のメディアも基本的に左派が中心なのは同じだろうが、この背景にはブラジル人一般の日本の歴史、特に近代史に関するに対する無理解もあるように思う。

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ネット上での情報戦対策を弔い合戦に
日本が本格的な諜報機関を作るという議論があると聞くが、まずは基礎の基礎として、海外で日本の近代史がどのように外国語で書かれているかを調べて欲しい。問題のある書かれ方をしているなら、ビシッと異議を申し立て、修正するための作戦を練り、しっかりと対処して欲しい。
 そのような情報戦対策を進めることは、外交に強い才能を発揮した故安倍元首相も、草葉の陰で大いに賛同することではないか。弔い合戦として、日本政府は強力に進めて欲しい。

(長いので詳しい惨状は下記参照)
ヤフー
https://news.yahoo.co.jp/articles/c8e65376a07163e7908aec9dfc21697ea6bc8298?page=1
ソース
https://www.brasilnippou.com/2022/220712-41colonia.html