毎日新聞2022/7/14 08:24
https://mainichi.jp/articles/20220714/k00/00m/040/019000c

 根室半島沿岸の花咲ガニ漁が解禁された。初日の11日、北海道根室市の花咲、落石、歯舞の3港に約5.6トンが初水揚げされた。ゆでると甲羅が朱色に輝く花咲ガニはこれから秋に向けて旬を迎える。漁は9月30日まで。

 JR根室駅前の阿部かに店は、ゆで上げたカニの身むきと発送作業に追われていた。阿部稔店主(69)は「例年よりやや大きく、身入りは良い」と話すが、「海の状況が年々おかしくなって、不漁が続いている」と海洋環境の変化を嘆く。

 花咲ガニは資源の枯渇が著しく、近年の水揚げ量は最盛期の5分の1程度。このため、太平洋側とオホーツク海側を合わせた今年の漁獲許容量は前年比5.44トン減の182.63トン(うち特別採捕の雌は15.75トン)だが、雄7割、雌5割に漁獲を抑える。

 例年9月上旬に行われる「根室かに祭り」は新型コロナウイルス感染拡大などのため、3年連続の中止が決まっている。【本間浩昭】