出生時の性別と自認する性が異なるトランスジェンダーの男性が、神戸市会で開かれた会派の勉強会で議員から差別的な発言を受けていたことが15日、分かった。市会は不適切な発言があったとして、今後、人権に関する議員研修の開催なども検討しているという。

 市会などによると、13日昼、市会会派「つなぐ」の議員控室で、性的少数者について理解を深める勉強会として、神戸市須磨区出身の日本LGBT協会代表理事、清水展人さん(37)らが参加した。

 勉強会には同会派所属の議員5人が出席。清水さんが生い立ちなどを説明後、浦上忠文議員が「(清水さんは)男なのか女なのか。そこが一番問題」などの発言を繰り返した。香川真二議員は「清水さんにボディータッチをしたらハラスメントになるのか」などと発言したという。

 清水さんは「性的マイノリティーについて、理解していない議員がいてショックを受けた」と勉強会後に市人権推進課に相談したという。

 神戸新聞の取材に浦上氏は「知らないから勉強会をしたが、配慮が足りなかった」と釈明。香川氏は「少数派と言われている人たちのことを『知り尽くせ』というのはストレスだ」と持論を展開した。

 市会は市人権推進課から連絡を受け、発言の経緯や内容などを確認。安井俊彦議長は「議会として深刻に受け止めている。適切な講師を呼んで研修を行うなど対応していきたい」としている。(名倉あかり)

2022/7/15 18:47神戸新聞NEXT
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