※2022年08月18日07時06分

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と自民党との関係は半世紀に及ぶ。教団は1968年に設立した反共産主義の政治組織「国際勝共連合」をてこに、党内きっての反共親米派だった岸信介元首相と気脈を通じ、つながりを深めた。両者の関係は岸氏の孫、安倍晋三元首相に受け継がれたとみられる。

 ◇「偉大な指導者」

 教団系の「光言社」が出版した「日本統一運動史」によると、教団は54年に文鮮明氏によって韓国で創設された。59年ごろから日本で布教を始め、64年に宗教法人として認証された。日本法人の初代会長は立正佼成会出身の久保木修己氏。67年には大学生らへの勧誘が「親泣かせ原理運動」などと報じられた。
 勝共連合設立時には、「右翼のドン」とも言われた当時の笹川良一日本船舶振興会会長が名誉会長に就任。70年前後から笹川氏と親交が深かった岸氏や党幹部が教団本部を訪問したり、関連団体の会合に出席したりした。
 教団は64年、本部を東京都渋谷区南平台町に移転。岸内閣時代には首相公邸として使用された場所で、隣には岸氏の自宅があったという。岸氏は再移転後の73年に教団本部を訪れた際、笹川氏から「統一教会に共鳴して運動の強化を念願」していると伝えられたことを紹介。「久保木君の情熱のこもった話は非常に頼もしい」などと語った。
 74年の文氏訪日に伴う夕食会では、岸氏の後見を受けていた福田赳夫蔵相(後の首相)が「アジアに偉大な指導者現る。その名は文鮮明」と称賛。久保木氏は著書で「岸先生に懇意にしていただき、勝共運動を飛躍させる大きなきっかけになった」と述懐している。
 80年代後半以降は、運動史に自民党議員に関する記述はほぼ見当たらない。霊感商法が社会問題化し、92年には日本の有名歌手も参加した合同結婚式が盛んに報じられたことなどが影響した可能性がある。

 ◇安倍氏の力の源泉

続きは↓
時事通信ニュース: 「反共」てこ、岸元首相と気脈 孫の安倍氏が関係継承―旧統一教会と自民の半世紀.
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022081700804&g=pol