仕事帰り、ふらっと書店に立ち寄る人も多いのではないでしょうか。

しかしいま、札幌の中心部では様々な理由で書店の閉店が相次いでいます。

中には歴史のある書店もあり、利用者からは惜しむ声が聞かれています。

(宮崎記者)「JR札幌駅に隣接する商業施設の書店です。店の入り口には閉店を知らせる張り紙が貼られています」

書店チェーンの札幌弘栄堂書店です。

商業施設パセオの全館休業に伴い、9月末の閉店を発表。

先月のアピア店、今月末の北郷店と合わせて市内全3店の撤退が決まっています。

調査会社によりますと、10年前に765店あった道内の書店は、ことし6月時点で563店まで減少。

書店の撤退に歯止めがかかりません。

こうした中、半世紀以上の歴史を持つ老舗の店舗が今月31日で閉店となります。

(紀伊国屋書店  オーロラタウン店 店長)「きょうから閉店日までスタッフのメッセージをこちらのボードに毎日1人ずつ出していきます」

札幌地下街にある紀伊国屋書店オーロラタウン店です。

地下街が開業した1971年にオープン。

流行や客の嗜好に合わせた品ぞろえが人気で、ピーク時には1日1000人以上の客が訪れていました。

(買い物客)「びっくり。紀伊国屋が閉まるなんて。パッと目についたらこれいいなとか。さっきも、あら私が子どもの時に読んでいた漫画まだあるわみたいな」

(買い物客)「残念ですね。紙の手触りが好きですけど、それだとどんどん本がたまっていって置き場所に困るので、ある程度割り切って電子書籍を読むようにしている」

撤退の背景にあるのがインターネット通販や電子書籍の普及。

大型書店の台頭も拍車をかけました。

(紀伊国屋書店 オーロラタウン店 店長)「ネットや電子書籍が出てきて、単純に紙の本が売れなくなってきた。人気の本や小説が出たら店の前に山積みにしたものが、どんどん飛ぶように売れていたのが15年20年くらい前の景色だったが、いまは全然違うものになってきている」

店の自慢は12人のスタッフが選ぶ書籍のコーナー。

読書家をうならせる一押しの一冊を店頭に並べ、接客にこだわってきました。

(紀伊国屋書店 オーロラタウン店 店長)「たくさんの方に支えていただいた。お客さんだけではなく出版社ですとかいろいろな人に支えていただいたので、本当にありがとうございましたと伝えたいです」

札幌の中心部で古くから愛され続けてきた老舗店舗。

惜しまれつつ、最後の時を迎えようとしています。


STV
8/18(木)「どさんこワイド179」  8/18(木)18:35更新
https://www.stv.jp/news/stvnews/n19apl00000018db.html