2022/8/22 20:10 (2022/8/22 20:10 更新)

山本 諒

 福岡県警は22日、新型コロナウイルス対策の一環として医療機関や福祉施設を支援する公的融資制度を巡り、不必要な融資仲介を装い福岡県久留米市の医療法人から現金をだまし取った詐欺容疑で、大阪府寝屋川市議の吉羽美華容疑者(42)ら3人を再逮捕し、新たに北九州市小倉南区の無職平井勝容疑者(48)を逮捕した。
 他に再逮捕されたのは、大阪市中央区、無職渡部秀規(48)▽大阪市西区、会社代表取締役北村隆史(60)-の両容疑者。
 4人の逮捕容疑は、2020年7月~21年1月、独立行政法人「福祉医療機構」(東京)の融資制度で久留米市の医療法人に対し、「自分たちに業務委託料を払えば特別な融資を受けられ、返済不要になる」とうその説明を行って機構から6億円の融資を受けさせ、手数料名目で2億3200万円を詐取した疑い。県警は、それぞれの認否を明らかにしていない。
 県警によると、当初は渡部容疑者が機構の審議官をかたり医療法人に接触していたが、容疑者グループの間で金銭トラブルが発生したとみられ、20年末ごろからは吉羽容疑者らが「別の審議官に依頼する」と医療法人に説明するようになった。その上で、手続きを代行するとして内容が虚偽の融資申請書を作成、機構に提出していたという。
 県警は、類似の手口で堺市の福祉施設から現金をだまし取った詐欺容疑で吉羽容疑者ら5人を逮捕していたが、福岡地検は22日、全員を処分保留とした。
(山本諒)

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