※2022/08/25 13:46

 大阪府高槻市の会社員女性が昨年7月、自宅の浴槽で溺死した事件で、同府警が殺人容疑などで逮捕状を取った養子の高井凜被告(28)(川崎市)は、勤務していた外資系の大手保険会社で優れた営業成績を上げる一方、複数の女性顧客と契約を巡るトラブルを起こし、退職していた。

 「とにかく上昇志向が強かった」。高井被告について大学時代の同級生(28)はこう語る。アメリカンフットボールで高校日本代表を経験して強豪の関西学院大に進み、外資系コンサルティング会社に就職。その後、2018年11月に転職したのが外資系の大手保険会社だった。

元同僚らによると、新人研修で「必ず成功する」と宣言し、1週間で計100万円超の契約を取り付け、何度も社内で表彰された。

 この頃から派手な暮らしぶりが目立つようになり、東京都港区の家賃数十万円のタワーマンションに住み、購入したイタリアの「ランボルギーニ」の高級車の写真や、高級すし店に通う様子をSNSに投稿していた。

 しかし、別の元同僚によると、顧客に契約内容を理解させないまま高額契約を結んでいたことが社内で明らかになり、20年6月に退職。会社から退職を知らされた女性顧客から「(高井被告には)結婚すると言われていたのに」との苦情が相次ぎ、複数の独身女性に結婚をもちかけて契約していたことも発覚したという。

 当時の顧客の一人だった溺死した女性は、20年秋までに高井被告の仲介で2件の生命保険(保険金計約1億5000万円)に加入。21年2月に高井被告と養子縁組を結んだ後、受取人は高井被告に変更された。

 こうした事情を知る関係者は「保険外交員が顧客の養子に入り、保険金の受取人になるのは全く理解できなかった」と語る。

 女性の遺体が自宅で見つかったのは、5か月後の21年7月だった。

 外資系保険会社の元同僚の男性(30)は21年9月に都内の飲食施設で偶然再会した時のことを覚えている。

 男性は高井被告が顧客の保険金の受取人になったと聞いており、近況を語り合う中、「人だけは殺すなよ」と冗談めかして伝えた。その瞬間、顔から笑みが消え、「何で知ってるんですか」と聞き返されたという。

 男性は「ドキッとして、慌てて話題を変えた」と話す。その後、女性が不審死していたことを周囲から聞かされ、連絡をしてきた捜査員にこのやりとりを伝えた。

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読売新聞オンライン: 保険営業の成績優秀、裏で複数女性と契約トラブル…養子の男は「上昇志向強く」.
https://www.yomiuri.co.jp/national/20220825-OYT1T50107/