8/25(木) 19:41

県内最大の政治決戦は三つ巴の戦いとなりました。コロナ禍の暮らしの危機や普天間基地の辺野古移設問題などを争点とした県知事選挙が25日に告示されました。

【写真を見る】県知事選告示 下地氏・佐喜眞氏・玉城氏の三つ巴の戦いへ 

県知事選への立候補を届け出たのは、届け出順に前の衆議院議員で無所属の新人・下地幹郎さん、前の宜野湾市長で自民・公明が推薦する新人・佐喜眞淳さん、現職で、立憲・共産・れいわ・社民・社大が推薦する玉城デニーさんの3人です。

長引くコロナ禍や物価の高騰、混迷する辺野古移設問題。暮らしを脅かす様々な問題で活発な舌戦が期待されます。

立候補を表明して以来、ネット上の動画投稿サイトを積極的に活用している下地幹郎さん。選挙戦の第一声も動画配信で行いました。

下地候補
「国と沖縄県、辺野古賛成する国と反対する沖縄県。国は徹底的に沖縄の振興予算を減額しました」

下地さんは、普天間基地の辺野古移設をめぐる問題がコロナ禍の対策や経済の課題解決を妨げる根底にあるとして、最優先課題は移設問題の解決だと訴えました。

下地候補
「辺野古の問題を私たちは解決です、解決することによって、県民が一つになって、前に進むんです。辺野古の軟弱地盤を埋め立てることは、もうしなくてよくなります。終わる」

返還が遅れている普天間基地は、民間機も活用する『軍民共用化』が経済活性化につながるとして返還を求めない方針です。このほか下地さんは、子育て教育政策の充実を掲げています。

前回4年前の県知事選に続いての挑戦となる佐喜眞淳さん。『対立より対話』の訴えを象徴する応援弁士が登壇しました。

金秀建設 上地千登勢社長
「違う立場にいたからこそ、身をもって実感したからこそ言えます。声を大にして言います。対立は何の得にもなりません」

自民党候補の支援に復帰したかつてのオール沖縄勢力、金秀建設の社長が登壇。

佐喜眞候補
「もう我々は基地の問題を終わらせて、未来へとつなぐ、跡地の構想をやろうではありませんか」

対話する県政への転換を訴え、日米が合意している嘉手納基地より南のアメリカ軍施設、およそ1千haの返還と跡地利用促進を訴えました。その佐喜眞さんが掲げる選挙戦のテーマは『経済危機突破』です。

佐喜眞候補
「観光関連産業の皆様に1000億規模の支援を必ず実現して参ります」

沖縄経済をリードする観光関連産業が、コロナ禍の危機に対する効果的な対策がないと玉城県政に批判の矛先を向けるなか、業界団体の強力な支援を受けます。

佐喜眞候補
「私、佐喜眞淳を信じていただきまして、戦い抜いて、一緒になって、県民共々に、この故郷沖縄を前進させようではありませんか」

“対立”が批判を受ける玉城陣営の出発式。元自民党政治家が強烈に反論しました。

仲里利信後援会長
「これから50年に向けて国の言いなりになる人を国政に送ると、イチマディタッチン、クヌウチナーヤ、日の目を見ません」

玉城デニーさんは、自身の地元うるま市与那城の海岸沿いで第一声をあげ、基地問題より先に実行してきた福祉政策に触れました。

玉城候補
「私の県政で中学卒業まで、通院費窓口支払いがない無償化が実現できました。」

困窮家庭の子どもの通学バス無料化など、10代に焦点をあてた政策の実績を挙げ、2期目は20代半ばまでの世代に支援を広げたいと強調しました

玉城候補
「貧困の連鎖を断ち切り、沖縄県民が全ての人生のステージにおいてしっかりと支援と協力の体制ができるよう、さらに力強く、2期目に向けての政策を充実させてまいります」

県政与党を中心としたオール沖縄勢力の支援を受ける玉城知事。普天間基地の早期閉鎖返還と県外移設を求め続ける考えに変わりがないことを訴えました。

玉城候補
「ヘリが飛んできて、シェルターに逃げ込むことがないような、そういう沖縄必ず実現してまいります。どうかお力添えをよろしくお願い致します」

3人の候補それぞれの訴えに個性が見えた選挙戦初日。9月11日の投票日まで、熱い論戦が期待されます。

ソース https://news.yahoo.co.jp/articles/bcb6c262060aed011b5f4664eb4cd1102bdae894