アメリカ政府は8月24日、ロシアの侵攻を受けるウクライナへの軍事支援の一環として、対無人機システム「バンパイア」を供与すると明らかにした。ウクライナに供与されるのは初めての兵器だ。

【動画】プーチンのドローンを餌食にするバンパイア
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24日はウクライナが旧ソ連から独立した記念日にあたる。米国防総省は発表で、約30億ドル相当の武器や砲弾をウクライナに供与するとした。アメリカからウクライナへの軍事支援としては最大規模となる。


米テクノロジー・防衛機器大手のL3ハリスは本誌の取材に対し、供与される武器の中に同社の「非車両依存モジュラーパレット式ISRロケット装置(バンパイア)」が含まれることを認めた(数は非公開)。

ロイターによれば、バンパイアは「小型ミサイルを発射してドローンを撃ち落とす対ドローンシステム」。

24日の記者会見で、米国防総省のコリン・カール次官(政策担当)は、バンパイアがウクライナでの戦争で使われている無人機への迎撃手段であることを認めた。

「動的なシステムであり、要するに、小型ミサイルで無人機を撃ち落とすのに使用するものだ」とカールは述べた

ウクライナと深い関係のL3ハリス
無人機だけでなく地上の標的への攻撃など、さまざまな標的に対して使えるよう設計されているという。

高機動ロケット砲システム(HIMARS=ハイマース)と同様、バンパイアもピックアップトラックなどの非戦術車両に載せることができる。

L3ハリスによれば、同社は「数年間にわたり、ウクライナ国防省を支えてきた」という。

「現在の紛争の当初から、弊社の高度戦術無線およびエラーに強いSATCOM端末は、ウクライナの戦闘員たちによる重要な情報のやりとりを支えてきた。また暗視・電子光学技術は、敵軍の追跡や、作戦立案の改善に寄与した」と同社の広報担当者は述べた。

「バンパイアは、自国と欧州の民主主義の防衛を続けるウクライナ軍にさらに確固たる能力を与えることになる」

今回の追加支援を含め、アメリカが21年1月以降、ウクライナに対して行った軍事支援の総額は135億ドルを上回る。

イワン・パーマー

Yahoo!Japan/Newsweek 8/29(月) 18:30 配信
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