「1年以内のプラチナバンド再割当て」求める楽天モバイル、競合3社を痛烈批判--焦り鮮明 - (page 3)
佐野正弘2022年08月31日 07時05分

 あくまで今回の会合のみによる評価ということになるのだが、気になるのは楽天モバイル、ひいては矢澤氏のスタンドプレーが際立っていることだ。実際、有識者との意見交換に際しても、他社への質問に関して矢澤氏が間に口をはさみ意見や要望を発言するケースが少なからずあった。

 また楽天モバイルの説明に関して、4Gのエリアカバーを主目的としているにもかかわらず5Gの展開のためプラチナバンドが必要と主張していたり、衛星通信を活用した「スペースモバイル計画」に、現在地上での利用に限定されているプラチナバンドの連携を打ち出したりしていたことなどについて、一部の有識者から疑問の声が向けられる場面もあった。そうした様子を見ていると、楽天モバイルがプラチナバンド獲得のためやや勇み足を踏んでしまっている印象も受けたというのも正直な所である。

(中略)

 一方で楽天モバイルが他の1社からプラチナバンドを奪うとなれば、企業間で非常に大きな禍根が残るだけでなく、現在そのサービスを利用している利用者にも非常に大きな影響が出てしまうことから、ユーザー保護の観点からするとあまり好ましいとは言えない。だからといって他の周波数帯から楽天モバイルに割り当てる空きが出る可能性も高いとはいえず、唯一プラチナバンドで空きができる845~855MHzと930~940MHzに関しても、3GPPで標準化されている周波数帯から外れ既存のエコシステムが生かせないことから、楽天モバイルも割り当てを希望しないと宣言している。
https://japan.cnet.com/article/35192523/3/