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https://newsdig.tbs.co.jp/articles/obs/140404
2022年9月1日(木) 15:35

大分県別府市の商店街「楠銀天街」で近隣住民から「いつ壊れてくるか心配」「異臭もする」などの苦情が相次ぎ、問題となっています。

大分県別府市楠町にある商店街「楠銀天街」はJR別府駅の南側に位置し現在、永石通りから流川通りまでの約350メートルにわたりアーケードが設置されています。近くには1921年に完成した日本最古のアーケード「竹瓦小路」もある。「楠銀天街」のアーケードは1953年に完成。当時は428メートルと日本一の長さを誇っていました。その後、1974年にリニューアルを実施。最盛期には土産店など100店舗以上が並び、肩が触れ合うほどのにぎわいで活気にあふれていました。しかし現在、営業中の店舗は13軒にまで減っています。

「鉄パイプの根元が全部腐ってしまってる。ほとんどの電柱が全部こういう状態、耐久性がないから地震の度に上から物が落ちちてくる」と話す地元の千代町自治会長の木下勇さん。老朽化が著しく進む現状に危機感を募らせています。さらに空き店舗の裏側を見ると、2階部分にある住居スペースの屋根や壁が抜け落ち、非常に危険な状態となっています。

近隣の住民からは「いつ壊れてくるか心配。臭いもすごく異臭もする」「いつも使っている散歩コースなので安全を配慮してほしい。早急に補修工事をしてほしい」といった声が聞かれました。

アーケードの屋根は基本的に商店街が、空き店舗については所有者が管理を行う必要があります。しかし商店街でつくる管理団体の資金不足のほか、一部の空き店舗では所有者が分からないなど抜本的な対策がとられていません。

この問題解決に向け、楠銀天街の今後のあり方について考える検討委員会が8月23日に初めて開催。地元自治会の関係者からは屋台村の設置や若者が集まる街づくりが必要といった意見が出ました。楠銀天街検討委員会の吉田隆委員長は「夜、アケードを通る人が怖いという声があるのでとにかく人が通りやすい明るい街として南部地区にも人が戻ってくるような街づくりにしたい」と話しています。

老朽化が進む「楠銀天街」を今後どうするのか根本的な問題解決へ向け、関係者の模索は続きます。