2022年09月07日

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 ヌルヌルとした「粘液」は生物が体内外に分泌する粘性の高い液体だ。人間の場合、消化器官や呼吸器官などの中にあり、体内を保護する役割を持っている。

 ぶら下がりながら行われる神秘的なナメクジの交尾は粘液あってのものだ。ヌタウナギは粘液で水を膨張させねばっとした液体に変えるし、ヤツメウナギはこれで食べ物をろ過し、ツバメは粘液性の唾液で巣を作る。

 このようにあらゆる複雑な生命にとって欠かせない粘液だが、その進化の起源は謎に包まれている。

 しかし粘液を研究しているニューヨーク州立大学バッファロー校のオメル・ゴックメン氏によると、どうやらとあるタンパク質の遺伝子に、何度も反復する配列がつけ足されたことで発明されたと考えられるそうだ。






粘液の正体は「ムチン」というタンパク質

 粘液は「ムチン」というタンパク質でできている。これは糖分子を生やした棒のようなもので、ヌルヌル感は糖の働きによるところが大きい。

 大抵のタンパク質は立体的な作りだが、ムチンは長い棒のような形をしている。これにそって糖分子がくっつくことで、ブラシのような複雑な構造になる。

 このブラシ構造のおかげで、ムチン同士でよくくっつく。粘液がヌルヌルするのは、この構造のおかげだ。

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粘液を作るムチンは、長い棒に糖分子がくっついたブラシのような構造をしている / image credit:Royal Society of Chemistry , CC BY






粘液はいつ進化したのか?
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