9/19(月) 9:30配信

オリコン

 平均寿命が延び続け、高齢化社会が進む中、健康上の問題がない状態で日常生活を送る「健康寿命」よりも、幸せに生きられる「幸福寿命」を重視する考えが注目されている。そんな中、全国各地の高齢者施設で“推し活”が広がっている。

【画像】良い笑顔…!いつも真顔だったおばあちゃんも“推し”の力で元気に

■“自分”のための体操は嫌でも、“推し”のためなら立ち上がれる…広がる高齢者サポーターの輪

 富山市内の高齢者施設を3年間利用している黒崎幸子さん(82歳)は、かねてから認知症による幻視や目まいの症状があった。しかし、昨年からサッカーJ3・カターレ富山の応援に参加するようになると、孫と同世代の大野耀平選手の夢中に。施設職員は、「要介護度が3から1に改善されたように見える」と話し、大野選手の施設訪問では杖を忘れて駆け寄る姿が見られた。

 神戸市内の高齢者施設で暮らす服部千恵子さん(86歳)は、ヴィッセル神戸のアンドレス・イニエスタ選手を応援。スペイン出身の彼との会話を夢見て、「ゼロから始めるスペイン語」の本で勉強を開始。試合当日には、認知症を患っていながら、一度着たユニフォームを見て「これこないだも着ましたよね?」と発言し、施設の職員を驚かせていた。

 これは、『セサミンEX』などの健康食品を販売するサントリーウエルネスが、2年前より推進している「Be supporters!」プロジェクト。Jリーグと協働し、高齢者施設の利用者など普段は「支えられる」機会の多い方が、サッカークラブのサポーターとして「支える」存在になることを推進している。

 施設では健康体操などのレクリエーションが日々行われているが、楽しみや生きがいを見出せずに、参加を拒む高齢者は多い。しかし、定期的に試合が行われるJリーグにおいて、息子や孫に似た“推し”の選手をひとたび見つけると、途端に目を輝かせ、積極的に応援イベントに参加するおばあちゃんが続出しているのだという。

 https://news.yahoo.co.jp/articles/cf5c8c47a89cbae6a8204731d00e3ae3cffb84a5