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戦うことは「悪」ですか
国葬の日の「海ゆかば」に思う 第二の国歌として危険視、教科書から抹消も「戦後レジームからの脱却」へ静かに時代の歯車が動き出した1/2ページ
2022.9/30 11:00
葛城奈海

安倍晋三元首相の「国葬(国葬儀)」の日の正午過ぎ、東京・九段下は居並ぶ警察官と「国葬反対」を叫ぶデモ行進、花束を手に静かに献花に向かう人々、そして彼らを取材するメディア、さらには一般の通行人で騒然としていた。

次第にボリュームを増すデモの中には、荷台でDJが大音量で低音のドラムのような音を流しながら「国葬粉砕‼ 家父長制打倒‼」と派手な横断幕を掲げて進む軽トラックもあった。リズムに合わせて踊るようにシュプレヒコールしつつ行進していく彼らを見ていたら、急に悲しみがこみ上げてきた。彼らにとって、国とは一体何なのだろう。

九段坂を上ると、思いがけない方向に献花の列が延びていることを警察のアナウンスで知った。先端は見えない。靖国神社に参拝すると、ここにも平日とは思えない数の人々が列をなしていた。

JR市ケ谷駅から一駅総武線に乗り、JR四ツ谷駅で降りると、花束を手にした人が幾人も歩いている。「なぜここで?」と思ったら、驚いたことに、そこに行列の最後尾があった。先ほどの国葬反対デモもずいぶんな人数だとは思ったが、安倍氏に最期のお別れをするために、じっとその順番を待つ人々の数は、その比にならなかった。

その夜、陸上自衛隊第1師団の音楽隊の定期演奏会が、杉並公会堂で開催された。国葬が決まる前から予定されていたものだが、このような事態を受けて、開会直後の国歌吹奏に続き、安倍氏への黙禱(もくとう)がささげられた。

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