クリミア大橋、爆発後に一部通行再開とロシア当局 
7時間前
ヒューゴ・バチェガ(キーウ)、パトリック・ジャクソン(ロンドン)、BBCニュース

ウクライナのポドリヤク大統領顧問が、橋の車道部分が崩落した写真をツイッターに投稿した
ウクライナ南部のクリミア半島とロシアを結ぶ欧州最長の大橋で8日朝に爆発があり、その一部が崩落した。ロシア当局は同日夜、通行の一部が再開したと明らかにした。ロシア当局によると、爆発で3人が死亡した。それとは別に、国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長は同日、声明を出し、ロシア軍が占拠するウクライナ南部ザポリッジャの原子力発電所が同日未明に外部電源を失ったと明らかにした。
ロシア外務省は8日夜、ケルチ海峡にかかりクリミアとロシアをつなぐ大橋の車道部分で、車が通行しているように見える動画を公表した。

車道と並行する鉄道橋も、通行が再開した様子。

クリミアの地元当局は、部分再開した橋が使えない大型車両用に、ロシア本土とクリミア半島を結ぶフェリーの運航を開始した。
8日朝の爆発を受け、国営メディアはロシア国家反テロ委員会の声明を報道。それによると、「タマン半島側のクリミア橋の道路部分で午前6時7分、トラックが爆発し、これによってクリミア半島へ向かっていた列車の燃料タンク7基に引火した」のだという。「橋の車道部分が2カ所、部分的に崩落した」と、同委員会は説明した。
ロシア当局によると、橋の道路部分でトラックが爆発し、並行する鉄道橋で列車の燃料輸送車両に火が燃え移った。トラックの爆発で道路の一部が崩落し、近くの車両にいた3人が死亡したという。
ロシア政府のドミトリー・ペスコフ報道官によると、橋での「緊急事態」についてウラジーミル・プーチン大統領は説明を受け、事実関係の調査を政府に命じた。刑事事件としての捜査も始まっているという。

動画説明,
クリミアとロシアを結ぶ唯一の橋、爆発の瞬間

ロシアはこれまで、兵器や砲弾、部隊の人員などをウクライナへ送り込むために、この橋を使ってきた。ロシア軍の補給拠点を集中的に攻撃してきたウクライナ軍にとって、この橋は重要な標的だったとされている。
ロシアは2014年にクリミアを違法に併合した後に、橋の建設を開始。2018年にウラジーミル・プーチン大統領が自ら先導して開通した。ロシアによるクリミア併合の象徴だった。プーチン氏が自ら開通したケルチ橋が燃えている様子の重要性と象徴性は、きわめて大きい。
プーチン大統領の70歳の誕生日の翌日だったこともあり、この橋を強く憎んできたウクライナの人たちは、ソーシャルメディアに相次ぎ歓喜の声を投稿した。

画像説明,
クリミア橋の爆発を描いた絵の前で記念撮影する男女(8日、キーウ)

ウクライナの大手銀行モノバンクは、崩落した橋の絵をデザインに使った新しい引き落としカードを発行したと発表した。
https://www.bbc.com/japanese/63189814



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