10/21(金) 18:30配信
クーリエ・ジャポン

テレビCMに登場したことで1980年代に日本で一大ブームを巻き起こした水生生物・ウーパールーパーが、ニュージーランドの動物保護施設であふれかえっていると英紙「ガーディアン」などが伝えている。

常ににっこり笑っているような顔が魅力のウーパールーパーだが、なぜ今、見放す飼い主が増えているのだろうか。






産卵数膨大、保護施設に2000匹

ニュージーランド南東部ダニーデンの動物保護施設の代表者は、今月初旬に600匹のウーパールーパーを受け入れ、現在は2000匹を保護していると同紙に話している。

この代表者は、経験の浅い飼い主が繁殖可能な雄と雌を同じ水槽に入れるなどのミスを犯し、産卵で増えすぎてしまったことが原因とみている。

同紙にコメントした動物愛護団体の科学部門の担当者はウーパールーパーは膨大な数の卵を産むため「あっという間に制御不能な状況になり得ます」と警告している。






ゲームに登場、本物ねだる子供

しかしなぜ今、そんなにウーパールーパーが捨てられているのか。

同紙は、仮想空間の中でものづくりなどを楽しむ世界的な人気ゲーム「マインクラフト(通称・マイクラ)」との関連の可能性を指摘している。

昨年、ウーパールーパーがマイクラに実装された時期から、グーグルの検索数が上昇。世界的にも子供たちの新しいペットとして注目を浴びた、という報道が出始めたという。

同紙にコメントした動物福祉活動に取り組む獣医師は、「ちょうどマイクラにウーパールーパーを出現させる機能が導入された時期に、本物が欲しいと子供が親にねだるのではないか、という懸念がありました」と説明。飼育は簡単ではなく「本当に特別な世話が必要なんです」と話している。

また、同国の首都ウェリントンの爬虫類・両生類を専門とする保護施設の代表者も1週間で25匹のウーパールーパーを受け入れたといい、マイクラが関係している可能性があるという見解を同紙に語っている。







餌に水温「世話はかなり難しい」

前出の爬虫類・両生類の保護施設の代表者は、ニュージーランドの国営ラジオ「RNZ」に、ウーパールーパーについて「子供に人気で、親は簡単なペットと思うかもしれませんが、現実にはそうではありません」と話している。

ウーパールーパーは主に幼虫(ワーム)を食べ、14~18度の水温で飼育せねばならないため、世話はかなり難しいそうだ。また、25年生きることもあるという。

日本ではウーパールーパーが河川で発見された事例が報じられた際には、生態系を乱す可能性があるため絶対に野外に放してはならないと識者が警告している。当然のことではあるが、ペットを飼う際はしっかり責任を持って最後まで世話をする覚悟が必要だ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/32ced8ddcfe6c87442a36ccb0c7bf50750498cea

最終更新:10/21(金) 18:30