ロシアの独立系メディアは24日、プーチン政権に近い実業家エブゲニー・プリゴジン氏が創設した民間軍事会社「ワグネル」が、旧ソ連構成国トルクメニスタンの刑務所で「志願兵」少なくとも500人を募集し、ロシア軍が侵攻を続けるウクライナへと派遣したと伝えた。在フランスのトルクメン反体制派の話を基にしている。

 プーチン政権とワグネルはこれまで、ロシア国内で恩赦や一時金と引き換えに受刑者を「徴兵」していたとされているが、旧ソ連構成国とはいえ、外国に募集範囲を広げた形となっている。

 別の独立系メディアも21日、人権活動家の話として、ロシアなどで集められた受刑者2万人以上がウクライナで戦っていると報道。人数は1週間前の約1万5000人から急増しており、ベラルーシやタジキスタンなど旧ソ連構成国の刑務所での募集も影響していると伝えていた。
 プーチン大統領は今月14日、部分動員令に伴う予備役30万人の招集がほぼ完了しつつあると宣言した。ただ、動員後に本来対象外だったと判明した人々を部隊から戻すという不手際も重なり、兵員不足の穴埋めはまだ続いているとみられる。予備役のロシア人男性が大挙し、国外に退避する騒動も起きたばかりだ。
 囚人以外にも、プーチン政権はロシア国籍付与を提示して中央アジア出身者を募集。外国での戦闘行為に参加することを国内法で認めない旧ソ連構成国との外交問題に発展していた。15日にウクライナとの国境に位置するベルゴロド州の軍演習場で乱射事件があり、タジク人が容疑者と報じられた。

時事通信 2022年10月25日20時31分
https://www.jiji.com/sp/article?k=2022102500684&g=int