11月3日 05時06分
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京都大大学院理学研究科の松岡広繁助教らが十月下旬、岐阜県高山市荘川町尾上郷の山中で、三種類の恐竜の足跡が集まった化石を発見した。一億三千万年前(白亜紀前期)のものとみられる。複数の種類の恐竜が同時に一カ所に生息していたことを示す足跡の化石は、国内では報告が少なく、珍しいという。

 化石を発見した場所は、ジュラ紀から白亜紀の地層が広がる手取層群。近くでは松岡助教らが二〇一九年に、国内最大級の大型肉食恐竜の足跡(長さ約五十センチ)を発見していた。

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足跡の形の石こう(両端が肉食恐竜、中央がイグアノドン類)=京都大で(松岡助教提供)

 その周囲を調査していた松岡助教と大学院生らが十月二十二日、谷沿いに露出した畳二畳分ほどの岩盤に、恐竜の足跡三個が密集しているのを発見。二種類の肉食恐竜と、イグアノドン類の草食恐竜の足跡とみられるという。複数の恐竜の足跡がある化石の発見は、岐阜県内では初という。

 松岡助教らは足跡の形の石こうを取って持ち帰り、今後、足跡の分布状況や、各恐竜の種類と関係性などを調べる。松岡助教は「流されてきた可能性のある骨の化石と違い、足跡の化石は当時の恐竜の暮らしぶりの復元につながる」と意義を語った。