日銀の黒田総裁は名古屋市で記者会見し、急速な円安は日本経済にとってマイナスの影響があるという認識を改めて示したうえで、外国為替市場で円相場が一転して円高ドル安方向に進んでいることついて「大変結構なことだと思っている」と述べました。

この中で、黒田総裁は、急速に進んできた円安について「為替レートは、経済金融のファンダメンタルズ=基礎的な条件を反映して安定的に推移することが望ましい。最近進んでいた円安は一方的で、急速であり、企業の事業計画の確実性を損ない、経済にとってはマイナスだ」と述べました。

そのうえで、このところ外国為替市場で円相場が一転して円高ドル安方向に進んでいることついて「政府が何度か為替市場に介入し、一方的で急速な円安の傾向はいったん止まっているように思う。大変結構なことだと思っている」と述べました。

一方、安定した物価上昇に向けてカギを握る賃金の上昇について、黒田総裁は「国内の需要が増加し、労働の需給が引き締まって賃金が上昇するというメカニズムが最も重要だ」と述べ、経済の好循環によって賃金が上昇することが重要だという認識を示しました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221114/k10013890881000.html