スマートフォン向けゲーム「ドラゴンクエストタクト」の共同開発をめぐるインサイダー取引事件で、東京地検特捜部は18日、大手ゲームソフト会社「スクウェア・エニックス」(東京都新宿区)の元社員でゲームクリエーター・中裕司容疑者(57)を金融商品取引法違反の疑いで逮捕し、発表した。この事件の逮捕者は3人目。

 スクウェア・エニックス(スクエニ)は、東証グロース上場のオンラインゲーム制作会社「Aiming」(渋谷区)と共同で「ドラゴンクエストタクト」を制作し、Aimingが2020年2月に共同開発を発表した。

 発表によると、中容疑者は20年1月下旬、Aimingがスクエニとの業務提携を決定したなどという重要事実を把握。共同開発が公表される前に、自身の名義でAimingの株を計1万株、約280万円で買い付けた疑いがある。

 特捜部は17日、同様の未公表情報に基づいてインサイダー取引をしたとして、スクエニの元社員2人を同法違反容疑で逮捕していた。

 中容疑者は、1984年にゲーム制作会社「セガ」に入社。「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」シリーズや「ファンタシースターオンライン」「チューチューロケット!」などのゲーム開発に携わった。2018年にスクエニに入社し、21年に退社している。

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