※2022年11月20日 08時42分
弁護士ドットコム

自分の子が犯罪を犯した時、親としてどう接していくかは悩むところだ。繰り返すことがないよう厳しい目を持つと同時に、子を信じる力も試される。

複数の女子高校生らに対するわいせつ行為などに問われていた男の裁判員裁判が、今年8月から9月にかけて東京地裁立川支部で開かれていた。公判には男の父親が証人として出廷し、被告人を見守っていくことを約束していたが、その監督能力に疑問を呈されていた。

被告人には同種の服役前科があり、父親は前回の裁判でも、同じように息子の監督を誓っていた。にもかかわらず、被告人は仮出所から1年も経たずに再犯に及んでいたのだ。(ライター・高橋ユキ)

●仮釈放からほどなく、のぞきを開始。半年後には盗撮
被告人(公判当時40)は、2020年から翌年にかけて、東京都下でウーバーイーツの配達員をやりながら、盗撮やわいせつ行為を繰り返していた。

起訴されていたのは、女子高校生3名に対する強制わいせつ致傷や強制わいせつ、同未遂、児童ポルノ禁止法違反に加え、49回に及ぶスカート内の盗撮という迷惑防止条例違反。だがこうした行為に及ぶ前段階として「のぞき」も繰り返していたことを本人は公判で認めている。

逮捕前はウーバーイーツの配達員をしていた男であったが、初公判では証言台の前まで歩くことさえやっとなほどヨロヨロとした足取りを見せ、それ以降は車椅子を使用した。

「間違いありません」と起訴事実を全て認めた被告人が、なぜわいせつ行為を2020年から繰り返していたかといえば、その直前まで服役していたからだった。

証拠によれば、被告人はまず2014年に盗撮事件で有罪判決を受けた。だがその執行猶予期間中に、住居侵入と強制わいせつに及び、盗撮事件での執行猶予が取り消されて服役していた。2020年3月に仮釈放となり、1ヵ月後にはウーバーイーツの配達員を始めたという。新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言が発令されたタイミングだった。

刑務所内で性犯罪者向けの再犯防止プログラムに参加していたという被告人だったが、仮釈放からほどなく、のぞきを開始。さらに配達員のかたわら、週4のペースで早朝の駅周辺で『盗撮Gメン』として見守りをおこないながら、仮出所から半年後には、あろうことか自分が盗撮行為を再開させる。手口はエスカレートし2020年10月から翌年1月にかけて、全く面識のない女子高校生3人に対して次々と犯行を重ねていった。

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