2022-11-22ORICON NEWS

 アサヒ飲料が1日、ホット専用のペットボトルウォーター『おいしい水 天然水 白湯』を発売した。“白湯が体に良い”と言われるようになって久しいが、これまで売り場で見かける機会は少なかった。
同社内でも「“天然水を温めただけ”の商品が本当に売れるのか?」などと疑問の声が上がったというが、早くも想定を上回る出荷数に担当者も驚いているという。ありそうでなかった“白湯”を商品化した狙いとは。






輸入、備蓄、健康、美容… 形を変え、ニーズを広げてきた“水市場”は過去最大規模に

 「アサヒ おいしい水」ブランドのルーツは、1983年に六甲山の良質な天然水をボトルに詰めた『六甲のおいしい水』。
元々ハウス食品が行っていた製造・販売を、2010年にアサヒが受け継ぎ、現在まで販売を続けている。1983年の発売当初は、“水を買って飲む”という習慣がなかった日本で、家庭用ミネラルウォーターの先駆け的な存在だった。

 それから’80年代後半に海外ブランドの飲料水『Volvic』や『Evian』が登場すると、あえてお金を出して水を買う行為に、おしゃれでスタイリッシュなイメージが定着。
以後、災害や健康に対する意識の高まりに連れて、日本人のミネラルウォーターの消費量は年々増加。日本ミネラルウォーター協会によると、一人当たりの消費量は15年間で約2倍に増え、昨年市場規模は過去最大を記録した(‘06:18.4L/年・人、’21:35.4L/年・人)。
「昔と比べて、水を購入して飲用することが生活に定着してきたことが伺えます。また最近では、シリカ水やアルカリイオン水など機能を売りにした商品や、多種多様の輸入水など、インナップが充実してきました。
お客様のニーズが多様化してきているためだと考えられます」(アサヒ飲料・マーケティング二部・鈴木慈さん/以下同)

 過去に例を見ない規模でミネラルウォーター市場が拡大する中、当然競争激化が進んでいる。’09年に日本コカ・コーラから発売された『い・ろ・は・す』は、
自然で環境にやさしい商品設計で爆発的なヒットを記録。’91年発売の『サントリー天然水』も、この30年で40倍の成長を遂げ、昨年過去最高の売上を達成した。




男女に広がる“白湯”ニーズ、鍵はネーミング? 『ホット天然水』は売れずに販売休止
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