岸田文雄首相(自民党総裁)が、早ければ年明けにも内閣改造と党役員人事を行うことを検討していることが22日、わかった。複数の政権幹部が明らかにした。約1カ月で閣僚を3人も事実上更迭したことから、態勢を立て直すねらいがある。ただ、首相官邸や自民党内には否定的な意見も少なくない。

 首相は19日、訪問先のタイ・バンコクでの記者会見で、内閣改造について問われ、「難度の高い課題に一つひとつ挑戦していくためにどうあるべきなのか。適切なタイミングを首相として判断していきたい」と含みを持たせていた。

 政権幹部によると、首相は年内は、今年度第2次補正予算の成立や安全保障関連3文書の改定、新年度予算案の編成などに集中する考えだ。その上で、年始か、来年春の内閣改造を検討するという。

 年始の場合は、新たな布陣で来年1月からの通常国会に臨むことが想定される。来春は新年度予算が成立し、後半国会に入る節目でもある。統一地方選も控えており、低迷する内閣支持率を浮上させるねらいもありそうだ。

 首相は8月10日に内閣改造を実施したが、10月24日には山際大志郎前経済再生相、今月11日には葉梨康弘前法相、20日には寺田稔前総務相を事実上更迭した。政権内では秋葉賢也復興相が「政治とカネ」の問題を抱え、国会対策をめぐっては官邸と自民党幹部との連携不足も指摘されている。こうした課題を解消するとともに、人心を一新し、政権浮揚につなげるねらいもあるとみられる。

 ただ、官邸や自民党内で「結果を出すことに専念すべきだ」(自民幹部)などと反対意見は少なくない。新たに登用した閣僚から不祥事が出れば、政権に深刻な打撃を与えかねないという見方もある。このため、年明け以降、首相が実際に踏み切れるか不透明だ。

朝日新聞 2022/11/22 20:50
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