大阪の郊外で地価が急激に上がり、「第2のバブル」が起きていると言われる地域が、大阪府箕面市にある。2023年度末に新しく延伸する鉄道の駅周辺だ。地価は延伸決定前後から上昇を続け、決定前と比べて2・3倍にまで跳ね上がるところも現れた。

 箕面市は人口約14万人。大阪都心から約20キロ圏内の距離にあり、市の中央に国定公園が広がる自然豊かな街だ。ベッドタウンとして幅広い世代から人気を集めている。

 しかし、交通の便がネックだった。

 市内にある鉄道の駅は、西部にある阪急箕面線の3駅だけ。梅田や難波といった大阪都心に行く際は、東部の住民の多くは隣の吹田市の阪急北千里駅か豊中市の千里中央駅まで、中部の住民の多くは千里中央駅まで、それぞれバスや車で向かい、電車に乗っている。

 そこで期待されたのが、千里中央駅が終点となっている北大阪急行電鉄(北急)を、新御堂筋(国道423号)沿いに箕面まで北に延ばす計画だった。

 北急は大阪の大動脈である大阪メトロ御堂筋線と相互乗り入れしている。延伸すれば、箕面市内から電車の乗り換えなしで、梅田や心斎橋、難波などに行ける。長年議論されてきた悲願だったが、財源の問題などが課題で、箕面市と大阪府、北急などが基本合意に達したのは2014年だった。

 市によると、延伸で新たに終点となる箕面萱野駅から梅田までは約24分。箕面萱野駅周辺からバスや車で千里中央駅に向かい、電車で梅田まで行くよりも、10~12分短縮されるという。

 延伸による新駅ができる周辺は、土地の値段が上がり続けている。

 箕面船場阪大前駅近くの船場東3丁目の商業地の公示地価(今年1月1日時点)は1平方メートルあたり57万円。前年より7・5%上がり、上昇率は商業地で府内トップ。13年の24万4千円と比べると、約2・3倍も上がった。

 箕面萱野駅近くの白島2丁目の住宅地は、13年は12万4千円だったが、今年は約1・6倍の19万6千円になっている。

 「ある意味、限られた場所で…(以下有料版で,残り1361文字)

朝日新聞 2022年11月23日 9時00分
https://www.asahi.com/articles/ASQCN5QZQQC7PPTB006.html?iref=pc_photo_gallery_bottom