立憲民主党の泉健太代表は、30日で代表就任1年を迎える。当初は「提案型野党」を掲げ、中堅・若手を執行部に積極登用したが、7月の参院選の敗北で、ベテランを要職に就ける「重厚布陣」に切り替えた。臨時国会では日本維新の会と「共闘」を始め、野党主導の国会運営を維持している。ただ、ベテランに囲まれ、泉氏が指導力を発揮する場面は目立たず、政党支持率は伸び悩んだまま。正念場は続いている。

「受け皿」になりきれず
 「荒波の中からのスタートだった。(この1年で)着実に、若手・中堅、そして『次の内閣』と成果を出しつつある」。泉氏は25日、就任1年を迎えるにあたり、記者団に手応えを強調した。

 「次の内閣」とは、9月に復活させた旧民主党時代の政策決定機関「ネクストキャビネット(次の内閣)」を指す。だが、同党の党勢は回復したとも言えず、政権の「受け皿」になりきれていないのが実情だ。

 泉氏は2021年10月の衆院選で敗北し引責辞任した枝野幸男前代表の後継として選ばれた。「批判ばかり」との批判を受けた枝野代表時代の反省から、「提案型」への転換を掲げ、幹事長に当選6回の中堅・西村智奈美氏を抜てきするなど刷新感を演出した。

 だが、政権との対決路線を弱めたことで、「存在感がない」との批判を受けた。野党との選挙区調整も遅れ、22年7月の参院選では改選23議席から6議席減らす敗北を喫し、党内では泉氏の手腕への批判が相次いだ。

ベテラン登用が奏功も…
 こうした批判に押される形で新執行部も幹事長に岡田克也氏、政調会長に長妻昭氏、国対委員長に安住淳氏と旧民主党時代の閣僚経験者を次々に登用する「重厚布陣」に切り替えた。路線も「提案も批判も」と転換し、政権との対決路線に軸足を置いた。

 10月に召集された臨時国会では政権に対する追及を強め、山際大志郎前経済再生担当相、葉梨康弘前法相、寺田稔前総務相と3人の閣僚を辞任に追い込んだ。維新との連携を進め…(以下有料版で、
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毎日新聞 2022/11/29 05:00
https://mainichi.jp/articles/20221128/k00/00m/010/208000c