防衛費GDP比2%なら国民負担「1人4万円」…批判噴出必至の増税を岸田首相は強行するのか?
公開日:2022/12/01 06:00 更新日:2022/12/01 06:00

 どうやって財源を捻出するのか。これは“岸田降ろし”につながる可能性もあるのではないか──。岸田首相は28日、防衛費を2027年度に国内総生産(GDP)比2%に増額するよう関係閣僚に指示した。岸田首相が防衛費の具体的な水準を明言するのは初めてだ。防衛費「GDP比1%枠」との歯止めを取っ払う大転換である。

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 政府の有識者会議は22日、防衛費の増額について「幅広い税目による負担が必要」との報告書を岸田首相に提出している。29日の衆院予算委員会で「軍拡のために増税をするのか」と問われた岸田首相は「さまざまな財源を精査し、年末に向けて結論を出したい」と増税を否定しなかった。

 GDP比2%なら防衛費は11兆円超に膨れ上がる。22年度の防衛費(当初予算)は5.4兆円(GDP比0.94%)。今よりも5兆円以上の財源確保が必要となり、すべて税金で賄う場合、1人年間4万円の増税となる。

「自民党は昨年の衆院選の公約で『防衛費GDP比2%』は掲げていましたが、防衛費増額のための増税には一言も触れていません。国民に信を問うことなく、年内に急いで結論を出そうとするのは、国民の理解を得られる自信がないのでしょう」(立正大名誉教授・金子勝氏=憲法)

 しかし、軍拡のために1人当たり4万円の増税となったら、批判が噴出するのは確実だ。FNNの世論調査(11月12、13日実施)でも、防衛費の増額を所得税や法人税の増税でまかなうことについて「反対」「どちらかと言えば反対」の合計は66%に上る。

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