遮断機が下りた踏切に入って自転車を押し、停車した電車の前を通るような行動をした男性が電車の乗務員に怒られる様子を撮った動画が、ツイッターなどに投稿された。

遮断機がなかなか上がらないことに我慢できなくなったようだが、かなり危険な行為だ。そのときの状況について、JR東日本横浜支社の広報担当者に取材した。

■踏切内には、電車が止まっており、乗務員が男性に気づいた
「カン、カン、カン」と警報が鳴り、遮断機が下りた状況で、男性が踏切に入り、自転車を押して進む。

踏切内には、電車が止まっており、男性は自転車を押して手前の線路を横切り、電車の前を通るような行動をした。乗務員が男性に気づいて、電車の警笛が鳴らされる。そして、電車の窓から乗務員が顔を出し、男性に手を振って制止した。

「間もなく動くので、出て行きなさい! 電車来るから、危ないよ」

乗務員が大声を張り上げると、男性は、何か答えるような様子を見せた後、自転車をUターンさせてゆっくりと戻って行った。その間、列車防護無線が発報されていた。男性が遮断機をくぐって、周囲の人たちと一緒に踏切が開くのを待つところで動画が終わっている。

この30秒ほどの動画は、2022年12月7日正午過ぎに、ツイッターやユーチューブに迷惑行為だとして投稿された。

動画投稿は、1000件以上リツイートされており、拡散している。男性は待たされてイライラしていたのではないかと推測する向きもあったが、「待つ事も出来ないのか」「ダメだそんな事したら」「余計に遅延が増大する」といった非難が相次いでいる。

この場所について、JR東日本横浜支社の広報担当者は8日、神奈川県川崎市川崎区内のJR東海道線・京浜東北線の川崎駅近くにある「矢向踏切」とみられると、J-CASTニュースの取材に答えた。

■「線路内の安全が確認できたため、特段警察への通報はしていない」
動画が撮られた日時は、はっきりしないが、投稿された12月7日は、午前11時半ごろにJR東海道線の上り電車がこの踏切で停車していたとした。

並行する京浜東北線で線路への人の立ち入りがあり、電車が非常停止を知らせる信号を受信したためだという。その後、電車は、次の川崎駅に9分遅れて到着した。

防護無線の発報については、「何か異常を認めた場合には、周辺の電車も含め、非常停止をかけることになっています」と説明し、7日については、「周辺の安全確認を行っている際に、踏切内に人が立ち入ったため、周囲に非常を知らせる信号を無線で発報していたことを確認しました」と答えた。

踏切立ち入りに対しては、「注意喚起後に速やかに踏切外に出て、線路内の安全が確認できたため、特段警察への通報はしておりません」としている。そのうえで、次のように注意喚起した。

「踏切の遮断桿をあげて踏切内に立ち入る方がいることは認識しております。弊社としては、警報機が鳴り始めたら無理な横断をやめ、踏切内に立ち入らないでいただきたいです。また、万が一踏切で異常を認めた場合は、ただちに非常ボタンを押下していただくことをお願いしております」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)2022年12月08日18時43分
https://www.j-cast.com/2022/12/08452103.html