※12/12(月) 13:31配信
東洋経済オンライン

 長野市にある「青木島遊園地」をめぐる騒動。発端は、「子どもの声がうるさい」という苦情を受けて、遊園地を2023年3月に廃止すると市が決定したことでした。

 この苦情が、実は1軒の住民からのものだったとメディアが報道すると、ネット上やSNSで意見が紛糾。そのほとんどが「子どもたちがかわいそう」「たった1人の要望で行政が動くのはおかしい」といったものでしたが、時間が経つにつれ、「住民側がクレーマーだと一方的には片付けられない」「廃止の前にもっとできることはなかったのか」という意見もあがるようになりました。

■3年前にも「騒音問題」が起こっていた

 過剰とも思える今回の長野市側の対応には、ある1つの出来事が背景にあると思います。3年前の長野市・後町ホールの騒音訴訟問題です。小学校の跡地に整備された市のスポーツ施設である後町ホールからのバスケットボールのドリブル音などがうるさいと、隣接するマンション住人から苦情が寄せられたのです。市側は利用団体に通知をしたり、扉を閉めたりするなどの対策を取りましたが、住民側は市の対応への不信感から、最終的に長野地裁に提訴しました。

 結果は住民側の敗訴となりましたが、判決までの約1年間は市側も訴訟対応に苦労したことと思います。このトラウマから、こじれて訴訟になる事だけは避けたいと今回の対応につながったのではないかと考えています。

 このように、騒音問題というのは単なる音の大きさだけの問題ではなく、多くの複雑な要素を含んでおり、表に出てきたものだけを見ていては本質を見誤ります。ここでは、長年、騒音問題について調査し、その解決に取り組んできた筆者が、子どもの声の騒音問題について検証していきたいと思います。

 以前、自治体職員等を主な対象として講演会を企画している会社から、『葬儀場、保育園等の「いわゆる迷惑施設」の立地・建築紛争と予防施策』というテーマで講演を打診されたことがありました。葬儀場と保育園を「迷惑施設」としてひとくくりにしたあからさまな表現に驚きましたが、反面、このような意識がもうすでに自治体等では定着してきているのかもしれないとしばし嘆息の思いでした。

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