2022/12/12 23:01

 宇宙新興企業「アイスペース」(東京)の月着陸船が11日、米フロリダ州から打ち上げられ、月に向けて飛行を開始した。来年4月末頃、月の北半球にあるクレーターに着陸を予定しており、成功すれば民間企業として世界初となる。

 アイスペースの月着陸船には、月面探査車やカメラなど七つの積み荷が搭載されている。このうち玩具メーカー「タカラトミー」(東京)などが開発した月面探査ロボットは、変形したり急斜面を登ったりでき、日本が誇るおもちゃ技術の粋が盛り込まれている。

 ロボットの名前は「 SORA―Qソラキュー 」。同社や宇宙航空研究開発機構( JAXAジャクサ )などが開発した。重さは250グラムで、着陸時には直径8センチの球体だ。

 移動時には球体が半分に割れるように開き、前後2台のカメラや、姿勢を安定させる部品が飛び出す。複雑な構造を小さく格納する技術は、乗り物からロボットに変形する同社の「トランスフォーマー」から応用したものだ。

https://www.yomiuri.co.jp/science/20221212-OYT1T50197/