法務省は13日、2022年版の犯罪白書を公表した。

 警察による21年の刑法犯認知件数は前年比7.5%減の56万8104件となり、ピーク時の02年から19年連続で減少。戦後最少を更新した。一方でサイバー犯罪や児童虐待は増加傾向が続いている。

 刑法犯の認知件数減は、全体の7割近くを占める窃盗の認知件数が減少傾向にあるため。法務省の担当者は「自転車盗や車上・部品狙いが大きく減っている」と説明している。

 ただ、刑法犯の検挙人数のうち再犯者が占める割合を示す再犯者率は近年高止まりの状況にあり、21年も48.6%(前年比0.5ポイント減)に上った。

 サイバー犯罪は03年から増え、21年は前年比23.6%増の1万2209件。児童虐待は14年以降に大きく増えており、21年は同1.9%増の2174件だった。

 22年版白書は新型コロナウイルス禍特有の犯罪を特集した。経済対策として新設された制度を悪用した犯罪の検挙件数は20、21年の合計で2907件。このうち持続化給付金の詐取事案が2578件と9割近くに上った。

 コロナ禍の中における刑法犯認知件数は、最初の緊急事態宣言発令中の20年4月と5月にそれぞれ前年同月比23.9%減、同32.1%減と大きく下がった。一方、少年の刑法犯検挙人数は20年4、5月とも前年同月比でほぼ横ばいとなっており、白書は学校の一斉休校などにより非行の機会が増えるといった「少年特有の事情」があった可能性を指摘した。

 法務省は再犯防止推進白書も公表。出所した受刑者が2年以内に再び刑務所に入る割合は最新の20年時点で15.1%だった。6年連続の低下。 

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