※12/12(月) 10:02配信
47NEWS

 乳幼児らが入院する際、保護者が同じ病室に泊まり込んで世話をする「付き添い入院」。まともな睡眠や食事が取れず保護者が体調を崩す、長期の付き添いで仕事を辞めざるを得なくなるなど、その実態は過酷だ。制度上はあくまでも任意の措置でありながら、実際には看護師の人手不足などを背景に、病院側が保護者に強く要請するケースも多い。

 厚生労働省は2021年、運用の実態を調査するべく、患者家族向けのアンケートを実施したが、回答率はわずか1・4%だったことが分かった。アンケートが不調に終わったことを理由に、現状の分析や対応策の検討も事実上の棚上げ状態になっている。

 インターネット上では「たった数日でも疲労困憊」「食事、睡眠、休養がぎりぎりで心を病む」といったコメントがいくつも上がっているのに、なぜその声が国に届かないのか。これまでの経緯をたどり、課題を探った。(共同通信=禹誠美、山本大樹)

▽建前上は「親の希望」

 今回の調査のきっかけは、21年6月の衆院厚労委員会での質疑だった。立憲民主党の衆院議員だった津村啓介氏が、新聞報道の内容などを踏まえ「事実上、強制的な24時間の乳幼児の付き添いということが数多く聞かれる」と指摘。これに対して田村憲久厚労相(当時)が「まずは実態を把握した上で(対応を)検討させていただきたい」と答弁したことから、国として初めて患者家族の実態調査に乗り出すことになった。

 そもそも現在の公的医療保険制度では、患者の年齢を問わず、入院中の世話は看護師らが担うものとされている。そのための人件費も診療報酬の「入院基本料」という項目で賄われており、保護者の付き添いは原則不要だ。一方、厚労省は通知で「小児患者または知的障害を有する患者等の場合は、医師の許可を得て家族等が付き添うことは差し支えない」としており、これが付き添い入院の根拠になっている。

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