★迫られる「ガス料金か、食事か」 ガス、電気、水道が止まる貧困世帯の実態とは?

現在、世界的なインフレと燃料価格の高騰が起きており、多くの人々の生活を苦しめている。総務省が10月21日に発表した日本の消費者物価指数(CPI、2020年=100)は、9月、変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が102.9となり、前年同月比で3.0%上昇したという。

食料品やエネルギーといった生活に欠かせない品目の値上がりが続いており、エネルギー関連は16.9%、生鮮食品を除く食料は4.6%も上昇しており、多くの世帯に影響が出ている。

 日本の貧困支援の現場でも、「ガス料金か、食事か」を選ばざるを得ないような切迫した状況が広がっている。

(中略)

依頼者のうち家賃の支払いを滞納している割合は19%に上っており、家賃が支払えずホームレスになる一歩手前の人からの相談も多いという。ここに追い打ちをかけているのがエネルギー価格の上昇である。電気料金は約28%、ガスは約27%、水道は約22%の依頼者が滞納している。ライフラインのいずれかが止まったことがあるという相談者も少なくないという。

 また、妻と子供二人と暮らす50代男性は、過去にガスが止められたことがあり、冷水でシャワーを浴びていた時もあった。今はガスの滞納分は支払っており、使用できるが、水道は2カ月滞納し、電気は半年以上も滞納している。月の手取りは18万円で、ライフラインの支払いか食費の選択を迫られている状況だという。現在はフードバンク仙台から配給される食料や、安いときに買いだめた冷凍食品、そしてカップラーメンでしのいでいる。

 さらに、生活保護の受給世帯であっても生活が困難になっている。生活保護を受給する50代女性の世帯では、すでにガスが止まっている。電気は2カ月滞納しており、今月払わないとこれも止まってしまう。水道は家賃とセットになっており、家賃とともに1カ月滞納中だ。困窮のきっかけは引っ越しの際に、家具や家電にお金がかかったことだが、収入が増えるわけでもないため、毎月滞納分を払うと今月分を滞納してしまう。何とか公共料金を捻出するために1日2食にしているという。
(一部抜粋)

https://news.yahoo.co.jp/byline/konnoharuki/20221214-00323776