国連では、イランでスカーフのかぶり方をめぐり逮捕された女性が死亡するなど女性の権利が抑圧されているとして、女性の権利向上を話し合う国連の委員会からイランを排除するよう求める決議案が提出され、賛成多数で採択されました。

イランではことし9月、スカーフのかぶり方が不適切だとして警察に逮捕された女性が死亡したことをめぐり、政権に抗議するデモが続き、人権団体は多数のデモの参加者が治安当局によって殺害されたとしています。

国連ではアメリカが決議案を提出し、イラン政府が女性の権利を抑圧しているとして深刻な懸念を示したうえで、女性の権利向上を話し合う国連の「女性の地位委員会」のメンバーからイランを排除するよう求めています。

国連の経済社会理事会で14日、決議案の採決が行われた結果、
▽欧米や日本など29か国が賛成、
▽ロシアや中国など8か国が反対、
▽インドなど16か国が棄権し、
賛成多数で採択されました。

これによってイランは、2026年まで委員会のメンバーから外れることになりました。
採択の後、アメリカのトーマスグリーンフィールド国連大使は「イランのすべての女性と自由のためにわれわれは立ち上がった。イランがメンバーでは委員会の活動が損なわれ、信用が傷つけられる」と述べ、イランの行動を止めるため今後も圧力をかけ続けると強調しました。

一方、イランの代表は「根拠のないねつ造された主張だ」と反発しアメリカを非難しました。

NHK 2022年12月15日 9時49分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221215/k10013923611000.html