2012年12月の衆院選で勝利し、自民党が政権復帰を決めてから16日で10年の節目を迎えた。岸田首相(自民党総裁)は、安倍元首相が長期政権で築いた土台を引き継ぎつつ軌道修正も試みるが、党内統治は「安倍1強」時代より難しくなっている。野党は多弱化が進み、再興の兆しは見えない。

 「皆さんのおかげで年を越せそうだ。これからもしっかり頑張ります」

 首相は16日夜、都内のホテルで開かれた「奪還の会」に駆けつけ、笑顔であいさつした。自民が下野した09年衆院選の落選組が政権奪還を期して作った会で、首相はすき焼きと福島産の日本酒に舌鼓を打ち、出席者からねぎらいを受けた。

 この日、政府は「反撃能力」保有を明記した国家安全保障戦略など3文書を閣議決定した。安保政策は、安倍政権下の集団的自衛権行使の限定容認や安保関連法などで飛躍的に発展したが、反撃能力の保有は積み残しの「宿題」だった。首相は16日の記者会見後、周囲に「大きな転換点になった。気を引き締めていく」と満足そうに語った。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/ea351164782a10d7a5e797ce0743c464f1670f90