発達障害児を育てるママ友に対して、悪意なく「心ない言葉」をかけている人がいます。
そんな人へ、自閉症児を育てた筆者が伝えたいこととは……。

 わが子が発達障害児だと分かり、落ち込んでいるママ友を励まそうと思って、つい「こういう子って、普通の子にはない
秘めた才能があるよね」「神様は、育てられるママを選んで子どもを授けるんだと思うよ」と言いたくなったこと
あるいは言ってしまったことはありませんか。こうした言葉を実際に言われた相手は、どう感じているのでしょうか。

●ママ友の“悪意なき”心ない言葉
 私の息子は、知的障害のある自閉症児です。ある日、ママ友たちとランチをしていたときのこと。
 私が長年、教育関係の仕事に携わっていることを知っているママ友が、「やっぱり、子どもは親を選んで生まれてくるのね。
立石さんだから育てられるのよ。◯◯君は、立石さんを選んで生まれてきたのよ」と言いました。
 その中に、栄養士の資格を持つママ友がいました。そのママの子どもは好き嫌いもなく、食欲旺盛でした。
すると、さっきと同じママ友が「△△君は料理上手のママを選んで生まれてきたのね」と言っていました。
 障害のある息子を、周囲の子と比較してしまう“比べる病”に侵され、心がひねくれていた私は心の中で
「もし、栄養士のママの子が超偏食だったら、『好き嫌いが多い子だから、料理上手なママのところに生まれてくるのね』
とでも言うんだろうか」とまで思ってしまいました。
 言った人には、決して悪意はありません。むしろ、「よかれと思って」励ましているのです。仮に、栄養士のママの子どもが
激しい偏食で、悩んでいたところに「やっぱり、子どもは親を選んで生まれてくるのね。◯◯さんだから育てられるのよ。
◯◯君は親を選んで生まれてきたのよ」と言われたら、彼女は私と同じように傷ついていたかもしれません。
 療育施設で出会った障害児を育てる親御さんが、「大きな声では言えないけれど、今度産むんだったら、こんな子は
嫌だよね」と私に言ってきたことがあります。子育てに疲労困憊(こんぱい)していた私は、「気持ち、分かるな…」と思いました。
 障害児を生んだ親は、子どもの行動改善に望みを託して“療育の鬼”と化し、「こんな子に産んでごめんね」と自分を責めていることもあります。
「神様は、育てられる人を選んで子どもを授ける」「子どもは親を選んで生まれてくる」

 これらの言葉を言われた側は、「きれいごとを言わないでよ! 子どもにも神様にも選ばれたくなんかなかったのに!」と心の中で
叫んでいるかもしれません。


続きはソースで
オトナンサー 2022.12.18
https://otonanswer.jp/post/145824/