読売新聞2022/12/20 15:37
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大小17の島々からなる長崎県 小値賀おぢか 町。来春の統一地方選で改選期を迎える町議会(定数8)が存続の危機に直面している。欠員が1人出ていることに加え、現職4人が不出馬の意向を示しているためだ。立候補者が6人以下の場合は再選挙となり、町政への影響は避けられない。町議会では議員の仕事の魅力を伝える取り組みに力を入れており、立候補を呼びかけている。(今泉遼、小松一郎)

前回選は無投票
 シャッターが閉じられた店舗、車や人の通りがまばらな道路――。今月中旬、人口約2200人の同町の中心部は閑散としていた。清掃員の女性(36)は「移住してくる人は多いが、なかなか定着しない」と語る。自身の出馬について問うと、「素晴らしい仕事だとは思うが、難しくて私には無理です」と苦笑した。

 町は2004年、佐世保市、宇久町との合併の是非を問う住民投票で反対票が多数を占め、単独で存続していく道を選んだ。

 07年以降、町議選は定数を1人上回る少数激戦が続いてきたが、町の高齢化率は10年前の44%から52%に上昇。15年には、50歳以下に限り、議員報酬を月額18万円から30万円に増額したが、若い世代の立候補につながらず、18年に廃止された。19年の前回選は1963年以降で初めての無投票となった。

 現在の現職議員7人の平均年齢は74歳。読売新聞の取材に対し、4人が次の町議選には出ない意向を示した。ある議員は「足が悪くて出張や研修がつらい。後継も探しているが、首を縦に振ってくれない」と嘆く。

「議員の仕事はマジ地味です。しかし…」
 公職選挙法の規定では、欠員数が定数の6分の1を超えれば、埋まるまで再選挙が続く。小値賀町の場合、回避には7人以上の立候補が必要だ。

立候補を呼びかける小値賀町議会の議会だより
 事態打開のため、町議会は9月、「求む!議員のなり手」と題したシンポジウムを開催。約40人が集まった。

 さらに、11月の「議会だより」特別号の表紙には「求む!あなたの力を!」と表記。「議員の仕事はマジ地味です。町の予算を冗談も言えない中で審議を重ねます。しかし、議会の決断なくして町は動くことができない。議会は町民あっての存在です」との横山弘蔵議長(71)のメッセージも載せた。横山議長は取材に「議会が維持できなければ、他の自治体との合併も視野に入る。町民には自分事として考えてもらいたい」と話す。

兼業制限緩和で立候補しやすく
 議員の担い手不足が深刻さを増す中、解消に向けた動きも出ている。

 政府の「地方制度調査会」によると、統一地方選の町村議選の総定数に占める無投票当選者の割合は2011年以降、2割台が続く。

 10日に成立した改正地方自治法では、なり手不足の要因の一つと指摘されてきた議員の兼業制限を緩和。年間300万円までは、議員が個人で自治体から業務を請け負えるようになった。

 また、同調査会では会社員が出馬する際に仕事を休める「立候補休暇」の制度化に向けた検討も進む。

 明治大の牛山久仁彦教授(地方自治論)は「なり手不足は、立候補の障壁を除くだけでは解決しない。独自の議案を提出するなど議員が仕事の魅力を発信することも大切だ」と指摘する。

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