>>230
腐敗というのは、オリガルヒが有力政治家になって政権をとって、国民をないがしろにして
関係者や支持者に利益を分配するという、ウクライナで繰り返されてきた政治のことを含んでいると思うが、
ウクライナ人もそれにはうんざりしてるみたいなんだよね。

しかし少なくともロシアはそうした腐敗の被害者ではない。むしろプーチン政権のウクライナに対する
政治工作は、傀儡として使えそうなウクライナのオリガルヒを選んで、資金その他の面で支援して
有力な政治勢力になってもらうという方法で行われてきた。

そしてオリガルヒは、自分が支配するテレビ局などのメディアをつうじて世論の操作を行うわけだけど、
日本と違って以前のウクライナはメディアに外国の影響が及ぶことについても甘かった。

そもそも政治とメディアの関係も中立なんてことはなく節度がなかったわけで、そういう制度的な環境を
ふまえないと、2022年のロシアによる侵攻のあと親ロシアの宣伝を垂れ流してたナーシTVが放送停止に
なったときに、TV局がキプロスの会社だからといって規制されるのはおかしい、と学者や文化人が立ち上がって
反対し、TV局の前にも撤回を求める人だかりができた事情が飲み込めないだろう。キプロスはロシア資本の
逃避地だ。

ただ2014年にロシアに侵略されて、そのあと2019年にオリガルヒでなくコメディアンが国民の下僕になると
訴えて登場し、政権を取ったあたりから、政治の潮流が変化したのかもしれない。ロシアはその変化に
ついていけずに政治工作の妙手を失ったのだろう。