クリスマスも脱ロシア…ウクライナ正教会、1月7日から12月25日へ祝祭変更を容認
読売2022/12/26 00:00
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キーウで、クリスマスイブの礼拝を行う正教会の司祭たち(24日)=ロイター

 人口の約7割がキリスト教の東方正教会の信徒とされるウクライナで、
ロシア正教会と明確に一線を画す「脱ロシア」の動きが加速している。
ウクライナ正教会は24日、ロシア正教会と同じ1月7日に祝ってきたクリスマスの祝祭を12月25日に営むことを容認した。

 地元メディアなどによると、ウクライナ正教会は24日、国内のギリシャ・カトリック教会とのトップ会談で、
クリスマスや復活祭など教会暦の改革に向けた作業部会を設置することで合意した。
ウクライナ正教会が将来的に、ロシア正教会と同じユリウス暦(旧暦)の変更に踏み切る可能性が出てきた。

 ウクライナ正教会は、ソ連崩壊後の1991年の独立以降もロシア正教会の管轄下にあったが、
2014年のロシアによる南部クリミアの併合を受け、18年に独立した。
ロシア正教会の管轄下にとどまる組織もあり、分裂状態が続く。
ただ、ロシア正教会系の組織は、トップのキリル総主教が侵略を支持する言動を繰り返したことも影響し、急速に支持を失っている。

 ウクライナの調査研究機関「キーウ国際社会学研究所」が7月に実施した世論調査では、
ロシア正教会系の教会に帰属心を持つとの回答は21年の18%から4%に減少し、
ウクライナ正教会(54%)と大差がついた。

 ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、プーチン露政権が国内の教会組織をスパイ活動の拠点にしているとの疑念を強めている。

 治安・情報機関は11月下旬、
国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録されている「キーウ・ペチェルシク大修道院」を捜索した。
ゼレンスキー氏は今月初め、ロシア正教会系の宗教組織の活動を禁じる方針を明らかにした。