埼玉県飯能市美杉台4の住宅で男性1人と女性2人の計3人が殺害された事件で、殺人未遂容疑で逮捕された斎藤淳容疑者(40)が昨年8月から今年1月までの間、被害者宅の車を傷つけたとして3回にわたって器物損壊容疑で逮捕されていたことが捜査関係者への取材で判明した。県警は、斎藤容疑者が一方的に被害者に恨みを募らせ、今回の事件に及んだ可能性があるとみている。

 捜査関係者によると、被害者宅に置かれた車は昨年8月、傷がつけられた状態で発見された。防犯カメラなどを設置し、警察側も巡回を強化するなどしていたところ、今年1月に斎藤容疑者が車を傷つけるところを確認し、器物損壊容疑で現行犯逮捕した。その後の捜査で、昨年8月の傷も斎藤容疑者がつけたことが判明。さらに別の時期にも被害者の車に傷をつけていたことが分かり、2回にわたって再逮捕された。

 捜査関係者によると、斎藤容疑者は逮捕されるたびに黙秘を続け、動機などについても説明しなかったという。斎藤容疑者は今年3月、いずれも不起訴になった。その後、被害の相談は寄せられていないという。

 3人が殺害された事件では、被害者の頭や首など上半身などに殴打されたような痕があり、激しい出血もあった。強い殺意が感じられ、恨みを持つ者の犯行とみられていた。

 斎藤容疑者は今回の事件でも「言いたくありません」と供述を拒んでいる。県警は被害者との関係を調べ、動機の解明を進める。【平本絢子】

毎日新聞

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